須賀敦子さんに影響を受け
まだ日没も前、薄暗い空の下、生まれて初めて徒歩で国境を超える。
煩雑でいかにもイタリアらしいローマから、ある意味において、世界で一番有名な国、バチカン市国へと渡る。
ヨーロッパに来てから、数々の教会を見てきた。それぞれに違った良さがあり、それらを見るたびに、東洋人である私には理解しきれない文化と宗教の混じり合った深度というものがあるのだろうと、少し胸の下のあたりに、がらんどうができたような何とも言いがたい虚しさが広がった。
そういったものを吹き飛ばしてくれる荘厳さが、そこにはあった。
無論、私に宗教的な知識と理解があればあれらをより深く楽しめたのだろうと思う。
それをわかった上で、心の底からよかったと、そういった疑問をほんのわずかも挟まずにすむような偉大さが、私の前にそびえ立っていた。
イタリアに来てから『須賀敦子全集第1巻』を読み返している。これは友人達から(友人と呼ぶべきか、同好の士とよぶべきか、はたまた先輩と呼ぶのが一番正しい気もするのだが、あえて友人とこの場では呼ばせていただきたい)マルタへ行く前に頂いた本の一冊で、当所の予定ではVISAも早々に手に入れてイタリアへは手軽に出かけられるはずだった僕はかなり早い段階でこの本を読ませて頂いていた。
決してイタリアのガイドブックにはなりえないが、それでも、いや、むしろといった方がいいと思うが、この本は私にイタリアへの関心を強くさせた。
須賀敦子っぽくなっていただろうか。文章。
上等なエッセイいうのは、深い知識と豊富な体験を持った話上手な人と話している気分にしてもらえる。
この本もまさにそうで、今まさに再読してしまっているもいうわけだ。
皆読もう。
広場やら美術館やら見たあと、トスカーナ料理ですよ。
吐きそう。食いすぎた。
これでも二本ではそこそこ食う方で、串かつなら74本食べた記録があるし、肉も400グラムくらいは食べる。
パスタに肉も350グラムぐらい、ワインは赤のボトル一本分(ハーフ二本)、ティラミスにグラッパ入りのエスプレッソ、イタリアの揚げパンにブレッド、サービスでくれたお菓子。
吐く。
胃が膨らみすぎて痛い。
24ですからねもう。
食べすぎた。
行ったのはこちら。
L'Osteria di Giovanni | L'Osteria di Giovanni, history and tradition meet innovation
ホテルの近くだったからなんの気なしに入ったら大当たり。
本と飲食店の当たりをひく力だけは人並み以上だわ本当。
あーフィレンツェいいな。
個人的にはローマより断然いい。町歩きが楽しい。