生きてるだけで親不孝
先日のベルリンであったテロを受けて「危ないから特にクリスマスはヨーロッパの大都市に行ったりするなら」という忠告がきた。
ありがたい話だが、残念ながら2ヶ月以上前からドイツのホテルと飛行機を予約しており、さらに言えば最終的な目的地はそのベルリンである。
もちろん忠告はドスルーだ。なけなしの金を払っているのだ。今更キャンセルなどありえない。クリスマスホリデーに辛気臭いマルタなんていてられない。
これで死んだらとんだ親不孝である。
そもそもが、中高大、更には大学院まで全て私学に通い、挙句の果に留学までしておいて「日本にいたかった」などとのたまう息子だ。いつ殺意を向けられてもおかしくない。
もちろん、そうなることを予想して柔道は段持ちだしキックボクシングも数年やっている。そういうところだけ抜かりない。
その上、その息子は最近英語に諦めを感じ始め、近頃は脳内で00年代のアニソンを英訳してはループしている始末だ。ハルヒはやっぱり可愛いなとか考えながら、ハレ晴レユカイって英訳できねえなどと思っている。
まさか父も地中海まできて息子がコミュ障のオタクをやっているとは思わなかっただろう。俺だって思わなかった。
誰も予想できなかった以上、避けられなかったのは仕方がない。大切なのは後悔ではないので、この事を考えるのはやめにしよう。
余談だが、これまでにも何度か父から心配するメールが来ている。それらは全て「酔いすぎたりしないようにリスクマネジメントに気をつけろ」だ。横文字を使ったところで俺がどれだけ24歳にふさわしくない人間なのかがありありとわかる。この年にもなって、親がただ酔ったときの事だけ心配する。もはやニートより酷いかもしれない。
幸い、コミュ障には酔えるほど飲む機会もあまりないので、肝臓は比較的健康である。脳味噌を退化させる代わりに、内蔵は元気にして帰ろうと思う。