刺身の国だし多少はね
フィレンツェは良い街だった。
写真はないが、市場に言ってブランチを食っていた。別に名物でもなんでもないけど、試食でもらったトリュフソースを塗ったバケットが美味しすぎてトリュフのリゾットを食べる。
ワインは三杯だけに抑え、代わりにジェラートを貪る。
余談だけれど、イタリアに来てからこの寒い中ジェラートを六回食べてるが、ピスタチオのジェラートを見ない。季節の問題だろうか。ピスタチオのジェラートを愛しているのだけれど。
どうもこの留学中、美味い海鮮求める機会というのが多くない。そりゃコース料理で出てきて美味いとかはともかく、わざわざ頼んだのはフランスはレオンのムール貝くらい?
これは(日本の魚介のが美味いんじゃね……)という驕りと危惧からきている。
ぶっちゃけ俺の行きつけの店の刺し身のほうが美味いんじゃねえのぉ!?
という24歳にして驕り高ぶるとはなんたるかを体現しているような、腐った思考回路でヨーロッパの街を闊歩している。
しかしここはベネチア。モツ料理が有名なフィレンツェとは違い、魚介の街だ。
わざわざここで肉や豚、鳥を食べるのもなんだかなといったところである。
ならばいい加減食いましょう。
不味いなら不味いで「日本の魚介最高!」と言えばいいだけの話。
というわけで夕飯は魚介を食べることにし、ホテルにチェックインした後に街を散策。
さすがベネチア……綺麗だ……
イタリアで買った安物クソスペスマホですらこの美しさ。
さて、本格的な観光は明日行くとして、レストランだ。ベネチアのディナーは今夜しかない。
しかし調べると、どうもベネチアで美味い店を見つけるのは困難らしい。
観光客か多い土地柄、高い店が多い。味もそんな感動するものじゃない的な。
さて、そこまで書かれたらもはや日本人旅行者の評判なんて当てにできない。そもそも口コミだの信じても大抵はろくなことにならない。
結局自分の勘で見つけるのが一番だ。というわけで早々ににネットで探すのは諦め、腹をすかすために歩き回る。
今日ばかりは自分の嗅覚を褒め称えねばならない。
裏路地っぽいところにあり、入り口周りには地元民らしき人達がたむろしている。奥を見れば少しテーブル席もあるが、ほとんどみんな手前の立ち飲みカウンター席に。
でも店内は清潔そうで、張り出されてるメニューはこの観光地ベネチアにおいてイタリア語のみ。勘が「行け」といっている。
大当たり。
もうめっちゃあたり。
サイコー。
ボンゴレスパゲッティに魚介のフリッター盛り合わせ、ワイン6杯、アマレットのセミフレッド、コーヒーまで頼んで40ちょい。
ワイン一杯2.5ユーロからって!
最高やん!
料理も生臭さって何ですかってレベルで魚介の旨味が生かされてた。あーフリッターでスパークリングすすんだなあ…………
明日ランチもやってるっぽいし、今度はイカスミのパスタ食べたい……
食べよかな……
食べよ……