何故かマルタへ島流し 

男大学院生が七ヶ月マルタに引きこもる話 一応留学

いい加減明るい記事も書けない

考えてみて欲しい。24歳にもなって学生をしているどころか、院の学費に加えて留学費用まで親に払わせている男だ。先行きが明るいわけもあるまい。

 

ここで「まあとりあえず今は楽しいじゃん!」と人生を謳歌できるような人間ならば、わざわざ小説を書きたいなんて思わずに川辺で毎夏バーベキューをするような人種になれていたことだろう。実際にはマルタくんだりまで来たあげく、コミュ障を発揮し、特別俺のこと気に入ってくれている友達がいたおかげで、どうにか環に入れているといったところである。

その友人も今週帰る上に、その別れの場にはち会えないという不義理である。そのうち槍くらいは投げられるかもしれない。

来年からは最早友達もほとんどおらぬまま、部屋にこもっているだけの日々になるはずだ。

 

 

日本語ならば、コミュ障ではなさそうに振る舞えなくもない。なんせ口先だけはまわせるのだ。まあ、まわせるだけなので、会話のあとに殺意を各位から向けられていることもあろう。

英語ではそこまでいかない。

いや、いくときもある。テンションが高いときだ。VISAが手に入った日なんかはアホのように喋った。

ただ、俺のようなタイプのコミュ障は喋り過ぎたら喋り過ぎたで後になって「なんであんなこと言ったんだろ……」「口を縫い付けたあと死んだ方がよろしいか……」などと一人勝手に悩み始める。

その上英語だと喋るのも億劫だ。

その結果「なんかあんまり喋らない侍みたいな頭の変な日本人」が生まれ、遠目から見られるばかりで話しかけられることもなく、自分から誘うこともないまま、残り静かに2ヶ月のマルタを過ごしていくのだろう。

 

まあ俺としてもこんな辛気臭い生活はゴメンなので、半分くらいは数少ない金を使い切ってでも他国に逃亡していく所存である。

帰国後は皆、お金を恵んでください。