何故かマルタへ島流し 

男大学院生が七ヶ月マルタに引きこもる話 一応留学

フランス7日目 ワイナリー巡り

自身がどうしようもない食い道楽であるということは、それなりに自覚していた。

ただ、ちょっと予想外の自分を見てしまって驚いている。

てか若干ひいてる。

最後まで読んでもらえれば、皆さんにもひいてもらえるだろう。

 

まず、今日はボルドーのワイナリーを巡るツアーを予約していた。

ボルドーサンテミリオンのワイナリーとメドックのワイナリーを1つずつである。

このツアー、380ユーロする。

いや正確には、俺の場合380ユーロしたというべきである。

というのもこのツアー、最低施行人数が2人以上。ほとんどのワイナリー見学のツアーがそうだ。

そしてタイミングよく2人以上申し込んでるツアーがなかった。

色々悩んだ結果、自分以外に申込者がいなければ、2倍の料金表を払うことで施行してもらえるツアーにしたのだ。

何をそこまでと思う人ももちろんいるだろうが、ワイン、特にフランスの赤ワインが好きな人間にとって、ボルドーまで来てボルドーのワイナリーを見ないなんてことはありえない。絶対にありえない。40000円払ってでも、どうしても見たかった。

そして、今回見たワイナリーの1つ目はサンテミリオンのシャトーカルディアナヴィルモリーヌ。かなり伝統的なワイン造りをされる造り手だ。


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上質な葡萄だけを選んで樽の中で発酵させてるところを開けて、香りを嗅がせてもらったとき、今フランスにいるのだと実感した。

こちらで買ったワインはこの2本。



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左の1本はまた別。

セカンダリーの2011年、そしてファーストワインの2003年。どちらも、今がまさしく飲み頃。

値段は……日本で買うよりは安いよとだけ……

いや、試飲させてもらって、まだ若すぎる2012年でも美味しかったからさ……ファースト……


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あとサンテミリオンの風景とか


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シャトーマルゴーも見ました。中は入ってない。

サンテミリオンでは試飲とレストランでの食事合わせて4杯ワインを飲んだ。

 

次がメドックの、なんと4級畑であるプリュレリシーヌ! これはもうヤバい。

4級と言われると日本語の感覚的に安物を想像するかもしれない。

でも多分、4級畑の飲み頃のファーストワインを店で開けると20000〜30000円はする。ネットで買うと10000円くらい?

そもそもボルドーで等級がついている時点で由緒あるワイナリーなので。

 



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こちらは打って変わってバンバン近代化されているワイナリー。あとオーナーがバンバン変わってる事でも有名。

不躾ながら「オーナーが変わるごとに味への影響はありますか?」と尋ねると「醸造長が変わるので多少変わりますが、根本は変わりません」とのこと。歴史あるワイナリーだから言える言葉だ。

さて、こちらで買ったのはこの2本。


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 これの左側はね、やばい。

右はボルドーらしい味わいのセカンダリー。今が飲み頃。

左は、4級に名前を連ねるようなワイナリーが、年間にたった4000本しか造っていない、白ワイン。 

テイスティングさせてもらったのだけれど、ヨーロッパに来てから飲んだ白で一番好き。酸味は強め、香りはめちゃくちゃフルーティ、雑味が全然ない。

最後まで2本買うか悩んだけれど、鞄のサイズのため断念。

そしてこのワイン、基本的にここに来なければ変えないらしい……

それを聞いて大ショックを受けてたら、なんとシャトーの方が個人の名刺を下さって、日本になら送ってくださるとのこと。最高に優しいよフランス人……

 

しかし楽しかった。樽の使い分けとか、各シャトー毎にベストとするボトルの大きさの違いとか色々聞けた。あとカルディアナヴィルモリーヌでは1921年のワインも見せていただいた。

あ、メドックでの試飲はファーストとセカンド、そして白の3杯をさせていただいた。

 

 

買ったワインはマルタに持って帰る。ただ、飛行機に載せるとその後1月は寝かせないとなので、楽しめるのは11月の後半。今から待ち遠しい。

 

その後、レストランへ。

行く前に。

MAX BORDEAUX

Maxbordeaux

ここはワインショップで、かつ多くのワインをテイスティングできる。ガイドさんに教えていただいた。

安いものだと2ユーロ? からできると聞いたので、レストラン行く前に軽く何杯か飲んでから行くかーと。

 

これがある意味僥倖であり、間違いであった。

まずはこのボトルを見てほしい。


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このボトル、熱心な読者の方ならわかるかもしれない。あるいはある程度のワイン好きでもわかるだろう。

そう、世にたった5つしかないボルドーの1級畑のうちの1つ、シャトーマルゴーの1997年である。

上に載せた写真と一緒のラベルだ。

 

このシャトーマルゴー、この店では、一口だけなら30ユーロで味わう事ができる。

 

いや、わかってる。わかってるったらわかってるって。ワイン一口に? 30ユーロ? 阿呆やんね? 日本で牛丼10杯食えるよ?

 

 

ごめんなさい、味わってしまいました。

 

語る者は多かれど、飲んだ者は少ないこのワインを。まだ24の若造が。飲んで、しまいました……

 

 

バイな。

間違いなく人生で一番美味しいワインだった。香りも味も最高。高いものってやっぱり理由があるわ。マルゴーなんて飲めるの人生最初で最後かもしれん。

1997年は確かあまり高い評価はされていなかったと思うけれど、それでもこの旨さ。

 

ワイン好きでボルドーに行く人は、というかワイン好きじゃないのにボルドーに行く人がいるのかわからないが、是非この店に行ってほしい。そして俺と同じ馬鹿みたいな事をしでかしてほしい。

 

 

さて、レストランは

chapon fin

Restaurant le Chapon Fin

今はないけど、過去に一つ星を取得していたレストラン。

間違いなく俺のフランス滞在中で最も素晴らしい夕食だった。

 

まず、値段から。
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1人でこの値段は、もちろん、決して安いとは言えない。言えないけれど、それでもこのレストランは安いと言える。

 

レシートの上から説明すると、1番上は食前酒。

2番目はコース料理の値段。

3番目がコースに合わせたワインの値段。

4番目が水。

5番目が珈琲。

下は税金である。

 

食前酒はシャンパンかブリュットか忘れたが、マグナムボトルの1杯目だった。しかも最初の客だったので、目の前で開封していただき、本当の最初の1杯を頂いた。

ワインに興味のない方からすればご存知ないだろうが、スパークリングワインワインは絶対にボトルが大きいほどの美味しい。そしてマグナムボトルは普通のワインよりワンサイズ大きいボトルだ。

 

フルコースは付き出しに前菜2皿、主菜は魚介と肉が1皿ずつ、チーズ料理に口直し、最後にデザートの8皿だ。(正確には付き出しはコースを頼まないでもついてくるが)

 

そしてワインはお願いすれば、1皿に1杯、料理に合わせたワインをソムリエがそれぞれ選んでくれる。付き出しとデザートにはつかないが、食後酒には貴腐ワインも出してくれるので、6杯、たまたまのサービスかもしれないが、付き出しを食べ終わった後に口直しのスパークリングワインを半分注いでくれたので、俺の場合は6.5杯。

 

まず、コース料理がかなり格安になっている。

俺の食べた料理をもしアラカルトで食べると、前菜1皿目と魚料理だけで同じ値段を支払うことになる。

 

そしてワインもかなり上質な物を出してくれていると思う。

値段はわからないけれど、かなり美味しかったと思う。

特に気に入った2本をお願いして写真に撮らせて頂いた。


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値段はしらない。でも特にこの2本はとても美味しかった。

 

そしてサービスもいい。

内装も店のページを見てもらえばわかるが、剥き出しの岩のような外壁とギリシャ風の彫刻を合わせていてなかなか凝っている。

 

また、ここはそこまで気取ってなくて、襟付きの服を着てジーンズはやめるくらいのドレスコードでオッケー。

それにあまりセンセーショナルなフレンチではないので、安心して食べられる。

 

上質なフレンチのフルコースを食前酒と食後酒、料理に合わせたワイン、それに持ち帰れるカヌレやチョコレートまでもらってこの値段。

もちろん日常使いするわけにはいかないだろうけれど、旅先での贅沢には決して高すぎない。

特に前菜、キャビアの前菜が出てきたのだけれど、キャビアよりも一緒に載ってるカリフラワーのムースが美味しいこと……

 

 

まあ俺は使い過ぎましたね今日。ツアー費諸々込で600ユーロいってるわ。

誰か恵んでくれないかなお金。助けて。