俺の残金は190ユーロだ……!
あと一週間!
あと一週間で帰国できる……
最高かよ。
しかし問題は常にある。
今ならば金だ。
普段ならこの残金は全然全く何にも問題ない。
しかし来週、二回ほど飯食いに行く予定がある。クラスメイト達と。レストランに。
いくらかかるんかねえ…………
多分60ユーロくらい持ってかれる気がすんねんなあ。
まあその時になったらわかるでしょう。
それまでは考えない。どうせないものはないし。
一つの時代の終わり 根本的コミュ障の悩み
来週末旅行に行ってしまう仲のいいフレンチ達が、俺にパーティを開いてくれた。
四時間楽しみ、飯も旨く、ワインもたらふく飲んだ。
何故か「なんでお前はそんなに謙虚なんだ!」と責められたが、日本人の中ではむしろ我が強い方だ。
さて、ひたすらのクラブ。
誰も知ってる奴いねえ……………
いや、言っても前は知ってる奴が至るところにいて、話しかけられまくっていた。
今はマジで皆いない。
新顔ばっかり。
まあそういう時期なんでしょう。
そもそも前も仲いい友達が交友関係広げてくれてただけだし。
根がコミュ障やから、チャンスがあっても切り捨てるし。
前は二階まで一杯だったハバナも、今は一階だけで十分なスペース。
皆これでも楽しいんだろうか。
俺は楽しくはない。
酒よ……お前だけは味方だ……
「日本に来たときにビジネス上気をつけなければいけないこと」についてのプレゼンテーションを行った。
生徒からの評判はかなり良くて、常に質問が飛んで40分間のプレゼンになった。
休憩時間にも何人からか「良かったよプレゼン」と声もかけてもらった。
正直かなり嬉しくて上機嫌だったわけだが、その後先生におもいっきり怒られた。
プレゼンになった途端文法がめちゃくちゃと。
確かに三人称単数の時の動詞変化とか、冠詞がめちゃくちゃである。
「ビジネス上はそれじゃいけない」
ごもっともである。
しかし「あの文法じゃあまるでエレメンタリーの生徒だわ」と言われたのは結構効いた。
「あなたがプレゼンになった途端に文法ができなくなるのはあなたがちゃんと文法を理解していないからだ」と言われてぐうの音もでない。
半年も勉強して何やってんだろ俺。
クラスメイト達との飲み会があったので、酒に逃げている。
しかしもう金が無い。マジでない。
現実逃避にも金がかかるな……
お金を使うとなくなるという仮説
僕も大学院で会計学やファイナンスを学んでいる身だ。そういう仮説の存在は知っていた。
しかし実感したことはなかった。今まで。
あと十日マルタにいるわけだが、残金200ユーロ。
まあ余裕っちゃ余裕だ。
1日の食費は精々10ユーロ程度だし、他に金を使うこともそうはない。
しかし考えたら金欠というものになることが人生でそうなかった。
親が本ならばいくらでも買い与えてくたので、中高時代からお年玉や小遣いはほとんど貯めてた。
大学では毎月5万稼ぎ、二十歳までは精々本代くらい。そっから酒代も出てきたが、基本的に口座の金は増えるものだった。
ちょっと旅行行き過ぎましたね。
いやまあ、日本にまだ貯金の何割かは残してあるのだけれど。
マジでなくなるんだ。金って……。
宿題を前に三時間が経過した
凄い。一問たりとも解けない。
たった12問しかないのに終わんない。
ビジネスメールで使われる文章にいくつか空欄があって、一単語ずつ入れろという問題。
でもこの文章、いわゆる定型文じゃない。全然わからん。
もう適当に埋めるしかない。
友人達がお別れ会を企画してくれているらしい。
ありがたい話だ。
その日ばかりは、俺も久しぶりに酔うまで飲むことになりそう。
まあマルタでほとんど飲まないし、たまにはええやろ。
あと二週間で帰れるとか最高
二週間後には日本にいるんですよ俺。
正直ね、ニヤケ顔止まらない。結構周りの日本人は帰りたくないって言う人もいるのだけれど、全くそんなことない。帰れるなら今すぐ帰りたい。
別にマルタもヨーロッパも嫌いじゃない。特別今の生活に不満もない。
でも、もう飽きた。
それに日本でならできるしたいことが、こっちじゃできないし。
本屋巡りとか、喫茶店巡りとか、日本酒飲んだりとか。
来週の金曜ホリデーという噂を聞いたので、授業は、残り九日。はよ終われ!